「温故創新」190805 N293 伊波喜一

我が道を 歩む人々 それぞれが 活気ある国 手本となるか

 中米のコスタリカを旅した。同国で働いている娘の様子を見るのも兼ねて、訪れた。コスタリカは軍隊の無い国である。その分教育に力を入れている。同時に、自然を大切にする国としても知られている。そんな、理想郷にも近いイメージを持って訪れた。 実際にはかなり様子が違っていた。列車やバスなどの交通網が十分に発達していないため、自動車天国である。しかしディーゼル車の規制がされていないため、サンホセなどメイン通りの大気汚染がひどい。また、ゴミの分別がなされず、そのまま埋め立てているので、資源活用への意識が乏しい。その一々を日本での常識で見てしまうと、至らない点ばかりが目についてしまう。 反面、日本では今や全く見られなくなった光景があった。車道中央部分で、ロトやサングラス・スナック菓子を売っている売り子がいる。実に商魂逞しい。また、市場では人々の熱気がほとばしり、奇妙な興奮を覚える。スペイン語の全く分からない筆者に、まくし立ててくるエネルギーは、一体どこから生まれてくるのだろう。 規制や規則は大事である。しかし、それも程度問題である。日本は今、自らが立てた規則にがんじがらめにされているのではないか、そんなことを思わせられた。