「温故創新」190722 N292 伊波喜一

夢見るや 学びを深め 叶えなん 専門性を 磨き続けて 

 先の見通しにくい経済・社会状況が続いている。そんな中、スポーツや学問の世界では、世界に挑戦する若者が増えている。彼らに共通するのは、語学力のブラッシュアップと物事を端的に表現できる言語力だ。語学は身につけるまでに、相応の時間がかかる。また、物事を的確に捉え、それを端的な言葉や喩えで分かりやすく相手に伝えるのも、これまた普段からの積み重ねがものを言う。あたかも、糸と糸を紡いで、布を織りなす作業のようなものだ。基本に忠実に取り組み、且つ専門性を磨く。その努力を怠った瞬間に、後ろを走っていた二番手に地位を明け渡さざるを得なくなる。 今回の参議院選挙応援演説で、印象に残った弁士の語り口があった。それは、生活に根ざしたエピソードをひとこと、話にはさみこんだものだった。政策はどちらかといえば、固い印象を与える。そこにエピソードを添えることで、政策に血が通う。その弁士は生活目線で話題を集め、それを相手に分かる言葉で、具体化して語る訓練を自らに課していると感じられた。自身の思いを聞き手の思いに重ね、共通のエピソードで語れる候補が増えれば、政治を身近に感じられよう。