「温故創新」190523 N274 伊波喜一

会心の 笑み浮かぶかな 辛抱し 1433 最多に並び    

 ここのところ、まるで真夏日のような強い日差しが照りつけている。東京も32℃を記録し、5月としては過去2番目に暑い。今月から来月にかけては運動会など野外での行事が多いので、熱中症にはくれぐれも注意していきたい。 将棋の羽生善治九段が第60期王位戦で、1433勝目を挙げた。これは故大山康晴15世名人に並ぶ大記録である。羽生九段は48歳とまだまだ若い。記録更新がどこまで伸びていくのか、期待が膨らむ。 その将棋の世界でもAIが席巻しているが、羽生九段はそのことについてこう言っている。「AIが人知に追いつき、追い越していくのは必然である。だからこそ、人知はAIを越えていくよう努力していかなくてはならない」。ご存じのように、羽生九段はチェスの世界でも活躍している。未知の世界にあえて足を踏み込んだ羽生九段の探求心に、脱帽する。将棋の世界で不動の地位を築いてきただけに、それらを捨て去る覚悟が無ければ挑戦できるものではない。古人は「月々日々に強りたまえ(昨日よりも今日、今日よりも明日へと精進せよ)」と言っている。未踏の記録に挑戦する羽生九段の活躍を、応援している。