「温故創新」180804 N247 伊波喜一

知りたるを あれこれ伝え 自他ともに 脳の活性 生きる喜び

 若い世代にとって、人生100年時代は驚くよりも(どう備えるか!)と考える方が多いのではないかと思う。医学の発達と医療技術の向上、健康志向の高まりとIT技術の発展は、肉体のアンチエイジングを可能にするばかりでなく、1世紀にわたる知恵の集積として人をどう活かすか、という視点に立たざるを得なくなるだろう。                  日本人の幸福感は、欧米人のそれと比べると独特であると言われる。欧米人は仕事や社会的地位など、自身が達成した業績が幸福感に直結する。しかし日本人は、周りからどう必要とされているか、どう受けとめられているかが幸福度のバロメーターになりやすい。だから、日本人は「自分のためだけに夢中になること」に、積極的になれない面がある。ならば発想を変え、自ら取り組んだことを積極的に若い世代へ伝えていってはどうだろうか。ベテランの豊富な経験から紡ぎだされる言葉や体験は、珠玉の知恵として聞く者の心に刻まれていく。それは自利から利他への転換点であり、自他ともに喜びを感じていくことに通じる。 高齢化社会も捨てたものではない。