「温故創新」180730 N246 伊波喜一

黄色の実 緑の衣に 包まれて トウモロコシの 噛めば甘みが

 かんかん照りが続いたかと思いきや、台風12号が東海地方に上陸し、被災地に豪雨をもたらした。復興の妨げにならないことを強く祈る。 今年初めてトウモロコシを食べた。皮ごと蒸して、味が落ちないようにし、実にかじりつく。皮や実の色つやは例年と変わらないが、何せ実が小ぶりである。ここ一週間、日本列島は40度を超す日照りのような状態が続いた。そのため、食物の成長に大きく影響を与えている。このような過酷な条件の中で農作物を育てるのは、至難である。水やりを欠かさず、いなご被害から実を守り育てる。食するのは一瞬だが、育てるあげるのは並大抵の事では出来まい。実は小さかったが、噛むと口の中に甘みが広がった。感謝!  角田光代さんに「11回目のごはん」という作品がある。亡き奥さんの手料理「豚柳川」が忘れられず、料理教室で料理を作っているうちに件の調理法が忽然とひらめき、実際に作ってみるという物語だ。ここにはゴボウや春菊など、取れたての野菜が数多く登場する。素材は地味だが、作物への労わりが感じられる。心が温かくなる。