「温故創新」220905 N1104 伊波喜一

空洞化 中間層の 見直しを 砂粒化防ぎ 関係築かん       

 上さんの定期健康診断で、東大和病院に付き添う。還暦を過ぎると、特に健康診断は欠かせない。小さな変化を見落とさず、とにかく早期発見と処置を心がけたい。

 旧統一教会が、想像以上に政治家に食い込んでいる。反社会的勢力と政治家の癒着は、由々しき問題である。旧統一教会を宗教団体と定義し、あたかも政治と宗教とが一体化しているかのような印象をマスコミは喧伝している。しかし、旧統一教会は宗教団体ではない。宗教の仮面を被った、マルチ商法団体である。

 政教分離の原則は、あくまでも国家が特定の宗教を保護しないということである。明治以来の神社を国家の精神的支柱として言論・思想統制した誤まりを、反省した結果である。

 古今東西を問わず、宗教の果たす役割は大きい。それは個人の救済に留まるだけでなく、社会にも大きな影響を与えている。

 国家は規模が大きすぎて、個人の意思が伝わらない。国家の意図を議論し、互いの意思をやりとりする場がどうしても必要になる。

 意思の伝達は、トップダウンで済むものではない。それを掬い取り、話し合い、またトップに戻すことが必要となる。そこに、中間的役割としての宗教団体の存在意義と価値がある。

 砂粒化しつつある現代社会だからこそ、中間団体の受け皿が求められるのではなかろうか。