「温故創新」220105 N985伊波喜一

戦争の はざ間で揺れた 青春を 何思うらん 令和の時に      

 時折風が吹いていて、寒く感じる。明日は東京も、雨から雪に変わるかも知れないとの予報だ。雪道に慣れていないので、降ると交通が混乱しそうだ。つくづく、北国の人達は凄いと思う。

 父が満95歳になった。昨年2月は、間質性肺炎になり病院に緊急搬送された。コロナ下のため面会謝絶となり、今生の別れかと思った。

 それからというもの、パルスオキシメーターが手放せなくなり、ちょっと動くと呼吸が苦しくなった。

 7月にホームに入所してからは、多くの方に手助けしてもらいながら日々を送っている。本当なら、故郷で畑仕事に汗していたかっただろう。だから東京での生活は手狭で、窮屈な思いをしているかも知れない。

 多くの人が介助に手を貸してくれたお陰で、母は家で看取れた。しかし、家族だけで看取れたかというと、先ず難しかっただろう。

 進学や仕事などで家族が遠くに住んでいる場合、家族で世話をするのはかなり難しい。子育てに追われていうるうちに、親は年老いる。

そして親の介護が終わる頃には、自身の老後が待っている。

 ゆくゆくは皆が、年金の世話になる。しかし、介護や介助には多くの人の手と、運営資金が要る。

 「自宅で介護」と政府は声を大にしているが、そのためには賃金や年金のあり方も含めた日本の未来像を示すことが、先決であろう。