「温故創新」210922 N887 伊波喜一

住み慣れた 住居守りて 人々の 暮らし成り立つ 基盤づくりを      

 西武線の線路の脇に、赤い曼殊沙華が一塊に咲いている。

 この花は、彼岸に合わせて花を咲かせる。冷夏や酷暑であろうと時を外さず咲く、不思議な花だ。その朱色が秋を感じさせる。

 衣食住は生活の基盤である。特に住まいは肝心で、これが整わないと生活が安定しない。しかし、日本では住まいの確保にお金がかかりすぎる。

 戦後の住宅政策で持ち家制度を推奨したこともあり、公的支援が限定的である。賃貸の公営住宅などを必要とする世帯は、圧倒的に多い。

特にコロナ下の影響は、これからボディブローのように効いてくる。

 派遣切り等で収入がなくなると、民間の賃貸住宅の賃料では高すぎて住めなくなる。住居が無いと就職活動も自治体のサービスも受けられなくなる。

 ちなみに英国や仏国では、社会住宅と呼ばれる公的な賃貸住宅を、住宅ストックの14~17%供給している。そのことで、低所得者層を広範囲にカバーする住宅制度を整えている。

 これらの課題に対し、公明は住居確保給付金の要件緩和や住宅手当創設を推進している。その際、家賃負担を収入の何割にするかなど、生活困窮者の目線に立った施策が求められる。

 人は住み続けることが出来てはじめて、地域社会の一員としての自覚も生まれる。生存の根幹に関わる施策の実現を、強く望みたい。