「温故創新」201021 N568 伊波喜一

目に見えぬ サイバー攻撃 恐しく 同盟国の 協力仰いで 

 薄曇りの空から、薄日が射している。朝方は冷えていたが、9時を回る頃には暖かくなってきた。 

 英政府はロシアの情報機関が東京五輪パラリンピックの関係団体などに対し、サイバー攻撃を仕掛けていたと発表した。

 英政府によると、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が攻撃を指揮したと断定している。 

 攻撃対象には主催団体や物流サービス、スポンサー企業などが含まれていたという。英国のサイバーセキュリティー当局が、攻撃を阻止したという。 

 GRUに関しては、16年の米大統領選で民主党クリントン候補陣営や全国委員会に対するハッキングが、記憶に新しい。

 今回の攻撃はサイバー偵察と考えられ、大会当日の下見を兼ねた攻撃準備だった可能性がある。

 攻撃の背景には、ロシアが組織的なドーピング問題で平昌五輪の選手団派遣を禁じられたことが挙げられる。

 東京大会でも禁じられる見通しで、いわば意趣返しの様相を呈している。情報の素人からすると想像も及ばない話であるが、嘘のような本当の話ということになる。

 情報の価値は、流した汗とかけた時間とに比例する。価値ある情報は力の源泉である。セキュリティ大国の後塵を拝しては、ならない。