「温故創新」200528 N442 伊波喜一

傷つける 氷の言葉 無視をして 非情の言葉 聞き流すこと     

 朝のうちは涼しかったが、日中は暑い。クーラーが恋しくなる。 

  ネット上の誹謗・中傷について、総務省はネット中傷投稿者の情報開示を検討している。

 これまでプライバシー保護の名目で、投稿者の情報提供は拒否されてきた。つまり、言ったもの勝ちである。

 ネット上では相手の顔が見えない分、息づかいを汲み取りにくい。本来なら、ネット上の議論は抑制されたものでなければならない。打ち負かせばいい、叩けばいいというものではない。 

 これが権力者や特権で保護されているものに対する批判ならば、彼らはそれを否定する力をもっている。

 しかし、一般人が中傷に立ち向かうのは、まず難しい。結果、中傷者は相手をとことん追い詰め、精神的に立ち直れない一言でとどめを刺す。

 恐いのはプライバシーの情報開示が、悪用されかねないことだ。権力が介入し、個人の考えや信条を握るとどうなるか。このような情報統制になることは、断固避けなければならない。

 情報活用の仕方と同時に、情報開示のあり方を規定してゆくことは、日本が民主国家としてあり続けるための試金石である。

 なぜなら、民主主義は自分の権利と同等以上に相手の権利を尊重することに、ほかならないからだ。