「温故創新」191009 N330 伊波喜一

人類の 未来を変える 開発を 環境革命 リチウムイオン  

 2019年度ノーベル化学賞に、旭化成名誉フェロー吉野彰氏が選ばれた。暮らしを変えるという観点からリチウムイオン電池を開発したことが、今回の受賞につながった。グッドイナフ氏やウィッティンガー氏が開発した初期の電池は高電圧になるものの、発火や爆発の危険性があった。吉野氏は「常識を破ろう」と炭素(グラファイト)に着目してリチウム電池を開発した。 そのリチウム電池は、私達の生活に革命をもたらした。これがなければ、スマホは生まれなかった。また、現在のモバイル社会は成り立たない。バッテリーの小型化・長時間化・安全性は、電池の概念を塗り替えた。さらに、電気自動車など環境に優しいエネルギーが、環境革命を推進していくものと期待されている。 京都大学時代、最初の2年間に打ち込んだのは考古学。考古学と化学は似ていて、言葉の解釈が出来ない分、物証を重ねて結果を確かめていく。好奇心を持ち続け、粘り強く研究を続けたことが、今回の受賞につながった。 受賞のインタビューで「(若者に一言と問われ)どんなことでもいいので、ナゼそうなのかと興味を持ち続けてほしい」の一言が、爽やかだった。