「温故創新」220523 N1037 伊波喜一

民衆の 飢え克服の 日々ありて 泥にまみれて 成果残さん        

 日中は蒸すが、夕方から豪雨が続いている。湿度が高いためか、肌寒いわりに蒸す。玄関先の新聞受けの壁に、ナメクジが張り付いている。かなり、湿度が高いようだ。

 緑の革命で小麦の品種革命を行ったノーマン・ボーローグ博士。氏の提唱する小麦で、数億もの人を飢餓から救ったと言われている。その開発は、手間のかかる交配の繰り返しだった。

 交配が成功する割合は、1千回に1回の割合だったという。日の出から日没まで作業を行い、野外の焚火で食事をし、寝袋で暖を取った。その繰り返しが、品種改良・品種改革という偉業に繋がった。

 博士の胸中にこだましていたのは、一体何だったのだろうか。名聞名利を求めるなら、このような手間暇かかる事には携わらなかったに違いない。

 そうではなく、目の前の飢えている人達を、何とかしたい。食べさせてあげたい。飢えで人生の大半を過ごす生き方から、人々が創造的に日々を送れるようにさせたい! この利他の心があったればこそ、そこまで頑張りぬけたと言えよう。 

 先進諸国では、食品ロスが喫緊の課題である。しかし、世界には食べられない人達が何億といる。

 特定の地域や民族にその負担を押し付けるのではなく、皆でシェアして食品を無駄にしない事こそ、これからの生き方と言えよう。