「温故創新」240502 No1420伊波喜一

久方に 図書館通う 知の倉庫 好きな雑誌を 手に取る幸せ 

 一日中雨が降っている。草刈りが出来ないので、一ト月ぶりに図書館へ行く。北中城村立「あやかりの杜図書館」は初利用のため、図書館カードを作った。窓外には米軍住宅の広大な芝生が続いており、ゆったりした環境である。沖縄関係の資料も取り揃えられている。

 米社会のルポを読む。学歴という越えがたい壁が、労働者と格段の差を生み出している。大学卒業という1枚の証明書が、大きな分岐点になっていることが分かる。

  米大統領選でも焦点となっているが、労働者にとって政策に必要なものは何か。その1つは職業訓練の拡充であり、2つは低所得者を対象とした政府支援の高額医療保険である。3つ目に大学教育を必要としない職業での求人の条件にしないことなどである。

 加えて、社会階層の上昇移動を妨げているのは、製造業を中国やメキシコに外注し、移民の受け入れを拡大したことである。中流の生活を保障していた労働者階級向けの仕事を、国外に「輸出」した。

 結果、残った仕事を低賃金で働く移民と分け合うことになり、低賃金を招く結果となった。

 移民の部分を除けば、米国の現状はほぼ日本の状況に当てはまる。賃金は上がっても、家賃、医療、教育、年金などの支出は、生活者のの首を絞め続けている。米国社会の後追いをしないためにも、政治の場でこれらへの対策を講じてゆくことが必要である。