「温故創新」230811 N1255伊波喜一

謎だった 暗黒物質 のびてゆく 天体すばる 大改良へ    

 立秋を過ぎて、陽射しが少し和らいでいる。木陰は風が心地良い。 

 国立天文台が米ハワイ島マウナケア山頂につくった「すばる望遠鏡」が、来年、最新鏡観測装置を使った新たな観測を始める。

 その宇宙は大きく、3つの物質から出来ている。暗黒物質27%、暗黒エネルギー68%、そして普通物質5%となっている。

 普通物質は人間や物、地球などを形作る。暗黒エネルギーは、宇宙の膨張を加速させている。暗黒物質ダークマター)は宇宙の4分の1を占め、光や熱を出さず、観測不能である。質量はあり、重力を持つ。未知の素粒子の可能性が高いと、考えられている。

 星や銀河は渦巻きの回転と遠心力で、本来ならバラバラになってしまう。ところがそうならないのは、これらの物質を繋ぎとめる、何らかの力が働いているからである。

 また宇宙の初期には、この目に見えない力が引力として働いていたからこそ、そこにガスが集まり、星ができ、銀河が生まれたと考えられている。この暗黒物質の解明が進むと、宇宙の始まりや膨張が解明されると期待されている。

 仏法では宇宙の生成から死滅までを、成住壊空(じょうじゅうえくう)と捉えている。その始まりを成ととらえ、その死を空ととらえる。それらは連続しており、途切れず無始無終に続いていくとしている。

 この考えは、暗黒物質解明へのヒントとなるのではないだろうか。