「温故創新」220623 N1064 伊波喜一

捨て石の 玉砕愚か 指導者の 風化恐ろし 御霊慰め

 梅雨明けの沖縄は、灼熱の陽射しが肌を焦がす。気温はうなぎ上りで、日中の気温はすでに33℃をさしている。

 慰霊の日の今日、沖縄は岸田総理を迎えて厳粛に式を執り行った。玉城知事は「過去の犠牲の上に、今日の繁栄が築かれている。その繁栄は、未来への禍根を残すものであってはいけない」ということを、メッセージとして伝えた。岸田総理も「その犠牲に報いる上でも、沖縄の経済復興に貢献していきたい」と話を結んだ。

 ヒトに自分の言うことを聞かせようと思ったら、アメとムチを使い分けるのが為政者の常套手段である。基地支援の名目で補助金を与え、基地を提供させる。支援を継続させ、半永久的に基地を使用する。

 沖縄は観光産業立県として地歩を築いたが、今回のコロナ下でその足腰の弱さを露呈した。新たな地場産業を起こしていかなくては、経済は衰退する。

 これまでのように自然やムード頼みでは、計画的な投資や思考は育ちにくい。何よりも、消費型の思考では発展性が見込めない。

 沖縄の今後の発展を考えるならば、文化的・学術的・芸術的側面から、中長期的に人材を育成しなければならない。また、農漁業も視野に入れて、1世代単位のマクロ的思考で育てていかなくてはならない。

 沖縄の伝統文化を基にした温故創新こそ、今沖縄に求められているのではなかろうか。