「温故創新」211102 N928 伊波喜一

スーパーの 棚にミカンが 豊作と 作り手の労 思いはせるか          

 買い物に行ったら、買い物客で混みあっている。昨年の今頃までは、コロナ感染を恐れて人と人とが触れ合うことを、極力避けていた。

 ワクチンのお陰で、これだけ人手が戻ってきたと実感する。ただし、油断大敵。変異株を軽く考えていると、手痛いしっぺ返しを食らう。マスクや喚起など、基本を忘れずにいたい。

 小笠原諸島の噴火で、軽石が海中に飛び散った。それが、海流に乗って遠く沖縄まで流されてきた。

 噴火の軽石や火山灰は1億立法メートルで、東京ドームの容積約80個分に相当すると見積もられている。

 沖縄本島北部の国頭村では、漁港に漂着した軽石を1tトラック40台分回収したが、全く追いついていない。

 巡視艇の冷却装置の配管に、軽石が詰まる被害も出ている。そのため漁船は故障を恐れて、出航出来ずにいる。

 海産物や農作物は、育てるのも収穫するのも労を要する。

 手間暇がかかる上に、このように予期せぬ自然災害と遭遇する。実際、台風や洪水などで壊滅的な被害を蒙り、再建のメドが立たない例はあまりにも多い。

 これでは、第一次産業に従事しようとする人達が減るのも無理はない。政府は半世紀単位ほどの長期スパンで計画し、助成と補償の一体化を考えていきたい。