「温故創新」211006 N901 伊波喜一

疼痛の 研究深め 様々な 治療法の 解明待たん   

 いつの間にか、エビカズラが庭に生えている。この前まで隣りの公園に生えていたが、公園清掃の折りに片付けられたもののようだ。

 それ以降見かけなかったが、庭に根を下ろしていたらしい。それにしても、自然にある発色の見事なことよ。明るいが深い色をたたえた紫が美しい。小粒の実がつやつやと輝いていて、サファイヤのようだ。眺めているだけで、心が洗われる。

 ノーベル医学生理学賞が米国の研究者2人に贈られる。業績は「温度・触覚の受容体の発見」であり、痛みを感じる「温度センサー」や、皮膚にかかる圧力を感じる「触覚センサー」を発見した。

 温度センサーにはやけどや凍傷などの危険を避けるための情報を脳に伝え、命を守る役目もある。触覚センサーには消化器官の中にある食べ物の量などを、感知する働きもある。

 コロナ下では当初、病院でしかパルスオキシメータは使われなかった。ところが一般へ普及し始めると、ヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか(酸素飽和度)が、家庭でも分かるようになった。 

 このように新たな視点から病気の原因に光を当てることで、治療法が発見される。その治療をスムーズに行うために、様々な器具が開発される。

 今回の生理的知見を医療技術に活かし、難病治療の壁を破る一歩になれば素晴らしい。