「温故創新」210405 N717 伊波喜一

イノシシで 豚熱拡大 接触が 人と同様 禁止難し

  雨交じりの一日だった。午後からは風も出て、コートが必要なぐらい寒かった。この気温差が体調を狂わす。油断大敵である。野生イノシシ3238頭に、家畜伝染病や豚熱への感染が確認された。このイノシシが運ぶウイルスが、野生動物を介して飼育豚に感染する疑いがもたれている。

 豚熱は26年ぶりに、岐阜県の養豚場で発生した。今年1月に和歌山県、3月末には奈良県など、12県の養豚場で発生している。

 3月17日時点で陽性率は大阪府が28%、長野県23%、岐阜県22%の順になっている。ただし、検査実施数が大坂は25頭、長野は1114頭、岐阜は5331頭とばらつきが見られる。

 農水省自治体に、豚熱を早く見つけるためにも、検査数を増やす必要があるとしている。

 対策として、ワクチン入りのエサを定期的にまくことや、侵入を防ぐ柵やネットの設置を呼びかけている。

 しかし、野生動物の生存本能はヒトの想像を絶する。

 福岡の里山で農業を営んでいる知人曰く。「イノシシが根こそぎ食い荒らすので柵を設けたところ、柵の下を掘って侵入してきた。そこで高圧電線を張りめぐらしたところ、ぴたっと侵入が止んだ」。

 時間と根気とお金をかけなくては、根本的な対策にならない。