「温故創新」201031 N578 伊波喜一

首里城で 伝統芸能 披露する 正殿消失 夢まぼろしと 

 昨夜より冷え込んでいる。今朝はストーブをつけても、なかなか暖まらない。木々も急速に色づき始めてきているようだ。 

 首里城正殿火災より、丸一年が経つ。現地の那覇市では首里城祭が開幕した。首里城公園では伝統芸能が披露され、琉球王朝時代の雰囲気を味わうことが出来る。 

 公募で選ばれた国王と王妃は、赤が基調の衣装で正殿跡付近に登場した。焼損した奉神門前で銅鑼が打ち鳴らされ、「うけーじょー(御開門)」の掛け声とともに開門した。 

 最終日の3日は、国王らが奉神門から守礼門まで練り歩く古式行列でハイライトを迎える。  

 首里城は14世紀頃に創建された。1429年から1879年まで、450年の長きにわたって琉球王国が続いた。琉球王が居住し、政治や外交、文化の中心となってきた。 

 首里城は昨年の火災、沖縄戦での火災を含め、これまでに5回消失している。沖縄の本土復帰20周年を記念して、92年に正殿などが復元された。

 今回の消失を受けて国は、日本復帰50年にあたる2022年に本体工事に着手し、26年の完成を目指している。 

 伝統に忠実に再建することは元より、火災に強い素材や設備を考慮したものにしてはどうかと考える。