「温故創新」200307 N393 伊波喜一

 非常時の 対応常に 想定し 国民一人 ひとりが自覚

 病気は体の弱いところに出る。災害は地形の脆いところを襲う。非常時は想定の範囲を無惨にも叩く。今回のコロナウイルスに端を発した感染リスクは、想定の範囲をはるかに超えて世界全体に大きな影を落としている。本来ならネット環境がこれだけ整っているのだから、適切且つ迅速に状況を把握出来たはずだ。しかし、情報(インフォーメーション)が溢れているにも拘わらず、精度の高い情報(インテリジェンス)を得らなかった。これは情報の受け皿が整っていなかったからである。 インテリジェンスを掴むには情報網が不可欠であり、情報を分析する確かな目を持たなければならない。今回のコロナウイルス対応では、医療の専門家は言うに及ばず、国内外での対応を多方向から多面的に、分析・決定・対応する専門家集団が必要だった。なぜなら、有事には専門家集団の判断が全てに優先されなければならないからだ。 日本国憲法は平時を想定した平和憲法である。この憲法の理念を尊重しつつ、非時を想定した対応を築いていきたい。その際、政府に全てを丸投げするのではなく、私達一人一人が、自身の立場で出来ることをやり続けていきたい。