「温故創新」200118 N369 伊波喜一

AIが 席巻するか この世をば 比べることの 愚かしさをや 

 人工知能のシンギュラリティが起こり、AIが人類を席巻するのではないか。ニュースで、そのような論が目に留まる。将棋やチェスの世界でAIが人に勝ったからといって、AIが人類に勝つというのはいかがなものか。将棋でAIが勝てたのは、これまでの棋譜を学習していたからであり、さらに独創的な手が生み出されればその限りではない。つまり、勝負という形で白黒はっきりするものであれば、AIの学習能力は極めて高い。しかし、味やデザインなど好みに関する場合はどうだろう。「この味が好き、あの色を着たい」など、一体どうやってAIが決めるのだろう。決めるとしたら、過去のデータに基づいた判断でしかない。一方、人は現在から未来へ至る未知情報に挑戦することが出来る。(儲けになるか分からないけど、面白そうだからやってみよう)などのわくわく感で、景気が動くことはご存じの通りである。そのわくわく感は、数値に置き換えられない。なぜなら、それは一人一人違うからだ。況んや、これからの人生をどう生きたいかは、各自異なる。自らの考えと意思で決めるからこそ人生は面白いし、味わいが出るのではないだろうか。