「温故創新」191128 N352 伊波喜一

恩人の 思い 心に 描きつつ たわわに実る 黄色の実たち

 年末準備のため、師走を前に帰省した。先月末の首里城大火の影響が気になっていたが、案に相違して、観光客は減っていなかった。キャビン・アテンダントの話では、「こんな感じで満席です」とのこと。有り難い限りである。 グアムの恩人から頂いたパッションフルーツが、今年は豊作だ。昨年は剪定で刈りすぎたのか、もう一歩、実がつかなかった。今年は、さぞや枝が重かろうと思うぐらい、たわわに実っている。 この苗木は、25年前に海を渡ってやってきた。か細い苗木で、1本は枯れたが、もう1本がかろうじて育った。残った1本も水と土地が合わなかったのか、当初、思うように育たなかった。なかなか育っていかず、気を揉んだ。それが異境の地で花を咲かせ、実を残し、今ではすっかりこの地に根付いている。 

 日本は今、外国人労働者の受け入れをめぐって、意見が紛糾している。ただ、彼等がこの地に定着するまでには相応の時が必要である。就労だけでなく、子どもの教育、年金、医療、介護までを考えていくには、50年単位のスパンが必要であろう。外国人の受け入れを本気で謳うのであれば、息の長い支援が必要ではないだろうか。