「温故創新」230829 N1273伊波喜一

故郷の 実家と墓の これからが 家の始末と 墓仕舞いとを   

 日本の南海上では、トリプル台風が発生している。台風11号は沖縄を直撃するとのことで、大きな被害が心配されている。

 長寿社会日本では、実家の後始末と墓仕舞いが現実にのしかかっている。墓に対する考えは、70代以降と40代前では異なっている。

 50・60代は実家や墓の継承と同時に、その大変さが骨身に沁みる時である。霊を弔うことのあるべき姿と現実とのギャップに、板挟みになるところである。

 10代から80代までの210人に、「お墓をどうしたいか」聞いてみた。「墓をやめて樹木葬や散骨にする」が68人、「墓をやめて納骨堂にする」が57人だった。

 それに対して「実家の墓を引き継ぐ」は30人、「自宅に近いところに墓を移す」は10人だった。ここまでで全体の4分の3を占める。残りの4分の1は、具体的な事はこれから決めていくとなっている。

 全体の半数以上は、先祖の供養はこれまで通りするが、一方で墓の維持は難しいとも考えている。先祖を大事にする気持ちは持ちつつも、今置かれている状況や今後の生活を考えていくと、それが持続可能か問わざるを得ないということである。

 今後日本の少子高齢化現象は、この現実をより加速させる。先祖をまつるとはどういうことか、その形はどうあるべきか、正解のない問いに向き合っていかなくてはならない時に来ている。