「温故創新」210530 N772 伊波喜一

物事は 思い通りに 進まずに 負の能力を 高める工夫         

 晴れたり降ったりと、天候が目まぐるしく変わる。

 プランターのヘチマとゴーヤーも、フェンスに蔓を巻きつかせている。実が出てくるのが楽しみだ。 

 緊急事態宣言が6月20日まで延びた。「~してはいけない」が強調され、その同調圧力が心にのしかかる。精神的不調を訴える人が増えているのも、頷ける。先が見えない状況下では、ポジティブな能力だけでは対処できない場面が多いからだ。

 そんな時必要な能力が、ネガティブ・ケイパビリティ(負の能力)である。負の能力とは「どうにも答えの出ない、どうにも対処できない事態に耐える能力」のことである。 

 現実社会は右か左か、黒か白かという2項対立では済まない。限りなく右寄りの左という場合もある。現状に合わせながら、双方の折り合いをつけてゆく事の方が多い。

 コロナ下が急転するのであればよいが、現実は思うように好転しない。むしろ、この余波は長く続いて経済的基盤を揺るがし、社会の通念を徐々に壊していく。耐え難い負荷が、個人にかかってくる。そして、それは避けられない。 

 そんな時は、嵐に立ち向かわなくてもいい。無理せず、嵐の通り過ぎるのを待てばいい。焦らず腰を据えて、自らのルーチンを繰り返す。そこに、挽回のチャンスが必ず巡ってくる。