「温故創新」210517 N759 伊波喜一

デジタル化 漢字忘れて 出てこない 体で覚える 手書きの力        

 蒸し蒸しする日が続いていたが、一雨降ると急に肌寒くなった。衣替えのタイミングが、難しい。 

 現代はスマホにパソコン、iPADなど、電子機器を多用している。記録と記憶の関係が面白い。東京大学の研究チームが、情報を記憶する際、電子機器、スマホと紙の手帳とではどちらの記録がより定着するか調べた。

 ある情報をそれぞれのやり方で記録し、1時間後に思い出した。結果は、3グループとも正答率に差がなかった。しかし、紙媒体の方が短時間で記憶が定着し、脳の活動が活発化していた。 

 今般、SNS上では膨大な情報量が踊っている。コピー&ペーストで簡単に転送できるが、もしこれを手書きで書き写すとなると大変な時間がかかる。その分、繰り返し丁寧に読み直すので、記憶が定着することは容易に想像がつく。 

 筆者も日記と手帳、備忘録は紙媒体を使っている。時々、漢字が思い出せなくてスマホで調べたりしているが、手書きのアナログには利便性一辺倒では測れない付加価値がある。

 今後、記憶力や創造性につながる紙媒体の価値が、ますます見直されていく。

 それぞれの長所を活かしながらこれらの媒体を上手に使いこなしていくと、生活にアソビが生まれてくるのではないだろうか。