「温故創新」210207 N660 伊波喜一

福島に ロボット産業 集積し 被災地再生 産官学で       

 まるで春を思わせるような、日中の陽射しである。上着を2枚ほど脱いでも、まだ暑いぐらいだ。 

 国や福島県地域再生に向けて、新たな産業を被災地に集積する「福島イノベーション・コースト構想」を進めている。

 東日本大震災から10年を迎える中、ロボットなど先端産業を中心に全国から企業が進出している。地元企業の参入も始まり、産官学が連携して新しい動きが起きている。 

 構想の重点分野の廃炉では、廃炉作業に向けた実証実験を行う。ロボット・ドローンでは、ロボットやドローンの開発と実証をする。

 エネルギー・環境・リサイクルでは、先端エネルギー関連産業の創出を行う。農林水産業では、情報通信技術(ICT)やロボット技術を活用した農林水産業の実践を行う。

 医療関連では、地域課題に合わせた技術開発支援で関連企業の販路を支援する。

 最後に航空宇宙関連では、「空飛ぶクルマ」の実証や航空宇宙産業への新規参入を支援する。 

 周辺地域には精密加工業が集まり、先端産業との親和性が高い。

 課題は、地元の中小企業が新規参入するハードルが高いことだ。 グローバルとローカルとをどう関連付け、融合させ、継続させるか。

 今こそ、知恵の絞り時である。