ミツバチの 会議に学ぶ 民主化の 各自判断 活路拓かん
朝晩が冷え込んできた。日が射さないと、日中でもヒンヤリとする。体を動かすにはもってこいの季節だ。
民主化をめぐる議論は難しい。反り合わない考えを一つの方向にまとめるのだから、容易でない。時間も手間もかかる。最後は、多数決の原理へと辿り着く。
ミツバチの世界には、分蜂という現象がある。不適切な場所を選んだために、群れが全滅の危機にあうことがある。
そうならないように、ハチたちは探索と議論をくり返す。
数百匹の探索バチが、候補地を見つけに飛び立つ。巣の候補地を見つけた探索バチは、尻を振って踊る。
この位置情報を手がかりに、別の探索バチが状況を見に飛んで行く。結果が良ければ踊る。
候補地を強く推す場合には踊りに熱がこもるが、そうでないと気が抜けた踊りになる。
もたらされた情報に、ハチたちはやみくもに従わない。必ず自分で確かめて判断する。ただし、一定数の支持が得られれば引っ越す。これは議論倒れにならないための、知恵である。議論に数日かけている間に敵から急襲されないよう、さっと引っ越す。
熟考と衆議一決とは、別々のものではない。慎重かつ果断に決めることは、矛盾していない。これが本来の民主である。