「温故創新」200927 N547 伊波喜一

突然の 訃報に驚く 内面の 葛藤見せぬ 女優逝きて          

 降り続いていた雨が上がった。

 朝方は冷え込んでいたが、薄日が射すと汗ばむ陽気だ。最高気温が27℃、最低気温が14℃と気温差が激しい。 

 女優のTさんが亡くなった。キレのある演技と心理描写の巧みさで、毎回の作品を楽しみにしていた。

 Tさんのように若い頃から芸能界に身を置き、ブレイクしていくのは大変なことだと思う。

 本人の才能は言うまでもないが、支えてくれるスタッフの力なくして、スターダム街道を走り続けることは出来ない。当然、周りからの期待も大きい。 

 Tさんは今年新しい家族が増え、新作も公開され、公私ともに充実しているように見えた。その矢先の出来事だっただけに、衝撃を受けた人は少なくないだろう。 

 7月には若手俳優のMさんが亡くなった。10代でブレークして、その才能を謳われていた。それだけに、内面の葛藤が激しかったと思う。俳優は役を演じ続けることを、宿命づけられている。ブランドイメージが大切なので、どうしても公が優先される。人としての悩みや弱さを、さらけ出すことが出来にくい。 

 もし、ありのままの自分をさらけ出し、全てを聞いてもらえたら、生き方が楽になったのではないだろうか。 残念である、とても。