「温故創新」200219 N386 伊波喜一

人知超え 猛威振うか ウイルスの 世界の中心 人にあらずと

 コロナウイルスの蔓延で、東京マラソンの一般参加が中止となった。アリーナやドームでのコンサートや集会も、自粛ムードが漂い始めている。この分では卒業式の開催も危うい。式後の謝恩会は、お流れになりかねない雰囲気だ。これに拍車をかけるように、マスクの品切れや除菌液の高騰など、初期段階のパニック現象も見られる。日本は同調圧力が強い国である。予防の範囲を超えたモノとコトにまで、その影響が波及しないことを祈りたい。 今回このようにウイルスが拡散してみると、人類がいかに無力かが分かる。化学や医学の力をもってしても、ウイルスを完璧に封じ込めることは難しい。いわんや、現代は海外への渡航も海外からの入国も、膨大な数にのぼる。人類大移動にも匹敵するような現象に対処するには、人類はあまりにも非力である。そのことに気づかず・気づこうとせずヒトの力を過信していると、手痛いしっぺ返しを食らう。 グローバリズムという一強主義は、ヒトにとって都合がよい。が、本来多様性に富むのが自然の理である。他者との共存を忘れたところに未来はない。 奢れるものは久しからず。 思い起こす時であろう。