「温故創新」180408 N224 伊波喜一

飾らない 繕わないで ありのまま 心晴れ晴れ 思いは感謝

人間は幸福を求める生き物である。自利を追い求める。しかし、自分の利益を追いかけるだけでは、幸せにはならない。幸せになるには、利他を生き方の底に据えなければならない。簡単なようであるが、生涯を通してその生き方を貫くには、余程の信念がなければ出来ないことである。 知人が定年で現役を退いた。自分に厳しい人だった。同様に、他人にも厳しい人だった。仕事に徹し、社員を率いて会社に利益をもたらした。 働くという言葉には、傍を楽にするという意味がある。当たり前のことだが、傍を楽にするには、自らが身を粉にして働かなくてはならない。彼女はその事を率先垂範で示していった。 同時に、社員の相談にもよく乗った。仕事を通して、人としてどう生きるかを、噛んで含めるように話した。一度で理解できなくても、何度でも話した。本人だけでなく家族の状況にも心配りし、細やかな配慮をしていた。 常日頃からの彼女の言動に、裏方で会社を支える人達からも、別れを惜しむ声が寄せられた。 人生は長いようで短い。人は人によって生かされる。人のために尽くす生き方を、考えていく時が来ているように思える。