「温故創新」180404 N223 伊波喜一

                    黒白の スーツ纏いて 電車待つ 新人達の 姿眩しき

4月は新年度の始まる月である。電車に乗ると、フレッシャーズの姿が目に留まる。一人でいる場合もあれば、会社の寮からの出勤であろうか、数名で固まっている場合もある。おそらく、仕事内容もよく分からず、不安な気持ちでいるのだろう。心なしか、電車での立ち位置が不安定のように感じられる。 20代の頃ボストンに行った。学生街だけに若い人が多いのは分かるが、中には30代後半の人も結構見かける。不思議に思い、聞いてみると、「会社に勤めていたが、専門知識が不足していることを痛感したので、大学に学び直しに来た」と言っていた。中には家庭を持っている人もいただけに、多様な選択肢を選び取る彼等の柔軟さに驚いた。 今、社会は厳しい労働環境に置かれている。コンプライアンス法令遵守)とアカウンタビリティ(説明責任)とで、がんじがらめである。徹底し注意を払うのは勿論大事だが、木を見て森を見ずにならないようにしなくてはならない。物事を許容する柔軟さが、社会全体に求められているのではないだろうか。 フレッシャーズはこれから数十年間、第一線で働き続ける。心身共に健康であることを願わん。