「温故創新」230821 N1265伊波喜一

山火事の 燃える広さと 勢いと フラッシュ旱魃 世界各地で   

 道に蝉が1匹、転がっている。この暑さにやられたのかも知れない。

 世界各地で、山火事が相次いでいる。カナダでは1000箇所以上の山火事が、起きている。北西部のノースウェスト準州イエローナイフでは16日、住民2万人に避難命令が出された。

 スペインのカナリア諸島テネリフェ島にある国立公園でも、山火事が発生した。19日までに、2万6千人が避難した。

 ハワイ・マウイ島では強風に煽られて、記録的な大惨事となっている。20世紀に発生した山火事は、燃え広がる速度が遅く、避難する猶予があった。ところが、今回の山火事は、あっという間に全てを焼き尽くしてしまった。

 その原因として、空気も大地も乾燥していて、そこに大風が吹いたことが指摘されている。ラハイナ東部の農村部は、かつてはしっかりと管理されたプランテーションで、灌漑用水や段々畑があった。耕作地は水やりの頻度が高く、火災に強かった。

 それが、アフリカ産の燃えやすい木に取って代わった。乾燥して湿度が低く、「フラッシュ旱魃」状態にあったところへ、530℃の熱風を伴い、時速130kmのハリケーンが襲った。

 地下も地上も、沸騰状態にある地球。この地球沸騰化を食い止める責任は、人類にある。いつまでも右肩上がりの幻想を追うのでなく、富を分配する共生社会の方向へと、舵取りしていく必要があろう。