「温故創新」220617 N1060 伊波喜一

危うさを ひめていながら いけいけの 流れに掉さし 断る勇気  

 先頃の雨で、隣りの公園から土や砂が流れてきている。僅かな量ではあるが、積もると結構な量になる。

 特にここのところの大雨は、僅かの傾斜であっても土砂を押し流す。これが渓谷や傾斜地であったなら、大量の土石流となりかねない。季節は夏本番、用心が欠かせない。 

 ウクライナや台湾情勢を受けて、国内外で勇ましい声が飛び交っている。経済制裁や軍事制裁で、敵国をやっつける。まことに勇ましい。しかし、その効果のほどはいかがばかりか。

 世界的に取り組んでいるSDGsだが、カーボンニュートラルで一番の無駄使いは戦争である。環境保護という前に、戦争で破壊することの罪は大きい。破壊されて、瓦礫の山と化する。これを取り除き、新たに作り直すとなると、どれだけエネルギーを消費することだろう。

 有限の資源をさらに食いつくし、枯渇させる。脱炭素どころではない。そもそも、原資がなくなってしまうのだから。

 熟考せず見切り発車をすると、その結末には悲劇が待ち受けている。声高な議論は、カンフル剤のようだ。即効性を求めるあまり、枝葉を切り捨てる。それが過ぎると結論ありきの論に陥り、機能不全となる。  

 人の世は複雑で、多様性に満ちている。多種多様な考え方があるからこそ、人の世は面白い。

 一つの色しか認めない社会は、窮屈で息苦しくはなかろうか。