「温故創新」220620 N1061 伊波喜一

補うを 超えて進化の スピードに 人工感覚 革新断然  

 朝夕は何とか凌げるものの、日中は蒸してたまらない。これから夏本番を迎えて、暑さ対策を考えなくてはならない。

 高齢になると、会話の音が聞き取りづらくなる。筆者も静かな環境下では聞き取れても、雑踏ではまず聞き取れない。ラジオなどが鳴っていても、難しい。

 これは加齢のため、耳のリンパの循環が悪くなったからにほかならない。耳の機能が衰えると、認知症のリスクが高まる。聴覚による刺激が減ると、認知機能や社会生活が低下する。

 22年現在5740万人いる認知症患者は、50年には1億5280万人になると予想されている。実際には、その数倍の数になると筆者は考えている。なぜなら、現在も未来も過剰な音の刺激に晒されているからだ。耳の機能が衰えるのに反して、聞き分けなければならない音の種類が増えたのでは、脳は適正に対応できなくなる。

 そこで補聴器が登場する。この最新の高性能ICチップを搭載したそれは、AIが周囲の音環境を72兆ものパターンと照合し、最適と予測する音処理をして耳元に届ける。

 聞き取りにくさは、個々人によってそれこそ千差万別である。限りなく個に対応することが出来れば、認知症を減らすばかりか、生活そのものに潤いを与えることが出来る。

 是非一度、装着してみたいものである。