「温故創新」210613 N786 伊波喜一

ほっとする 居場所多い子 自分好き 孤独・孤立の コロナ深刻             

 外回りを掃きながら、コニファーの枝すきをする。秋のようではないが、それでも茶色に変色した葉が落ちてくる。夏の暑さに負けず、常緑を保ってくれるといい。 

 政府は21年版「子ども・若者白書」を閣議決定した。その中で、居場所の数と「自分が好き」との関連を示した。居場所は「自分の部屋」「家庭」「学校」「地域」「職場」「インターネット空間」の6項目である。

 6項目中6つの居場所がある子は、自分が好きが72%だった。半分の3つは38%で、0は10%だった。居場所が少ないほど、自己肯定感が低いことが分かる。

 居場所は物理的な居場所と、人間関係を含めた居場所とが混じっている。インターネット空間は無機質だと思われがちだが、ゲームやサイトなどでは緊密に接触できる。

 学校や職場ではお互いが目の前の出来事で忙しく、かえってコミュニケーションを取るのが難しいということもある。 

 何といっても家庭は一番のセーフティネットであり、安心して過ごせる場所である。

 ただし、現今の余裕のない生活や閉ざされた交友関係の中で、家族が子ども達の相談に乗れるかどうか気になる。

 日本社会が何を目的にして進んでいくか、問われているように思う。