「温故創新」210607 N780 伊波喜一

道示し 腹据え断固 突き進め 世論気にして 過つなかれ          

 巣作りの時期とかで、カラスが飛び回っている。この時期はカラスも神経質になっているので、巣の近くを通る時は攻撃されないよう細心の注意を払わなくてはならない。 

 世論は暴走する。先の米大統領選でのトランプ現象は暴力的でひどかったが、あれはよそ事ではない。

 よく考えればフェイクかどうか分かるが、頭に血がのぼっている時は冷静な判断が出来ない。ことに社会に不安や不満が高まっている時、人は感情に左右される。

 今般のSNSやツイッターはそれを増幅させ、世論を形作る。怖いのは、いったん膨れ上がった世論は元に戻らないことだ。膨れ上がった世論は暴走し、誰も止められなくなる。これは洋の東西を問わない。

 特に日本は同調圧力が高く、正義や信念を貫くより、回りの目を気にして行動する傾向が強い。何が正しいかより、誰がそれを言ったかに関心が集まる。 

 しかも、コロナ下での政策決定は、特にスピード感をもって進められなければならない。その際、上から目線ではなく、庶民に分かる言葉で周知徹底することが肝要だ。そして聞き手が納得するよう、具体的で丁寧な説明を心がけることだ。

 政府の五輪開催説明には、その真摯さと説明が決定的に足りていない。一人の心に届くメッセージは、世論を動かし変えるのだ。