「温故創新」210528 N770 伊波喜一

ユネスコの 勧告嬉し 北国の 縄文群遺跡 世界遺産へ         

 緊急事態宣言が延びる。インド変異株の流行も懸念され、経済と医療の安定をどうしていくか舵取りが問われる。 

 ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が、北国の縄文遺跡を世界遺産へ登録するよう勧告した。対象になっているのは「北海道・北東北の縄文遺跡群」である。 

 この遺跡は17の遺跡で構成され、竪穴式住居跡などの集落跡や環状列石(ストーンサークル)、共同墓地で出来ている。遺跡は北海道・青森・秋田・岩手に分布している。 

 津軽海峡を隔てて北と南に分布する遺跡群は、農耕を伴わない定住社会が存在したことを示している。

 物見の塔や広場を中心にして竪穴式住居が建てられていることから、農耕生活に至る過渡期と考えられる。 

 冬は雪に閉ざされる北国の地に定住するには、狩猟以外の収穫が必要である。

 高倉式の竪穴から想像するに、米以外の農産物や木の実などを収穫していた可能性も否定できない。定住社会の発展段階や様々な環境変化への適応を、示しているといえそうだ。 

 ヒトの遺伝子には、安定と開拓の両因子が混在している。北へと開拓を広げながら、定住をはかってきた。

 これら先人の開拓史から得られる知見に、ワクワクする。