「温故創新」210309 N690 伊波喜一

リーダーの 資質の一つ 良い加減 褒めて称えて 目をばつむって          

 曇天に閉じ込められた日は、底冷えがこたえる。花粉が飛ばないのは助かるが、油断すると体の芯まで冷える。用心用心である。 

 閉塞感の時代に、人々はどのようなリーダーを求めているのだろうか。見通しを持ち、計画的に物事を進める。

 平時ならそれでよいが、非常時の今は事はそのように運ばない。  

 世の中の機構がこれだけ整っていると、秩序と序列、しきたりと慣行、前例踏襲と事なかれ、曲言と阿諛追従が、溜まった澱(おり)のように人を縛る。

 決められたレールを換えることなく、その上を走るだけの社会。それが今の日本に、閉塞感をもたらしている。ならば、皆であれこれ目標を吟味し、やってみたらいい。

 そこで求められるリーダーの資質は、皆の意見をよく聞き、尊重することである。皆に任せ、信じ、見守り、責任転嫁しないことだ。 

 コロナ禍で国民に我慢を強いながら、自らはその禁を犯す代議士。不正と知りながら便宜をはかる官僚。

 追求されて初めて、しぶしぶ非を認める。

 この厚顔無恥と民を下に見る傲岸さに、社会の民意が低下していることを憂える。 

 次代のリーダーは庶民の中で苦労し、良い加減にバランス感覚を磨いていく必要があると感じている。