「温故創新」200718 N486 伊波喜一

乳を吸う 期間の長さ 違いあり 哺乳類で 人は短し  

 今朝も寒い。まるで、5月のようだ。被災地の復旧もコロナの影響で人が集まらず、進んでいない。体も心も疲れ切っていて、心配だ。

 哺乳類の中でも、ヒトは1年で離乳する。たまに2年近くということもあるが、極めて稀である。

 現今は共稼ぎが主流になり、離乳期間はさらに短くなる。乳を飲ませていては、仕事など出来ないからだ・・・。 

 哺乳類ではゴリラは4年、チンパンジーは5年、オランウータンは7年も乳を吸う。その間に永久歯が生えそろう。

 ヒトだけが永久歯が生えそろわない中で、離乳をする。手探りで何が食べられるか食べられないか、確かめていく。その過程で、触覚・嗅覚・味覚が育っていく。

 とは言っても、一人で食べ物は探せないし食べられないので、親が世話をしなくてはならない。

 自力で立てない赤子だけに、慎重にも慎重を要するとばかりに、手取り足取り教えることとなる。

 これが小学校入学前の時期と、ぴたっと重なる。第一の教育である。 

 ここに至るまでの教育は、触覚・嗅覚・味覚を耕すことである。決して視覚教育ではない。 

 ところが、現今の教育は、五感の中でも視覚教育を最重視している。偏り過ぎたやり方が綻びを生まないか、気になる。