「温故創新」190906 N306 伊波喜一

自らの 力信じて 生き抜かん コネ・七光り すべて投げ捨て  

 子どもの教育に親は目の色を変える。それが講じると、子どもの進路を金で買おうとする。親の七光りがそれ。ひいては不正入試へとつながる。 一方、奨学金を得て進路を切り拓く子ども達もいる。能力はあるが、生活に困窮し高等教育を受けられないない家庭に育った子ども達である。国によっては学費だけでなく、生活費の免除を保証しているところもある。また、国の替わりに、非営利団体がその全てをまかなっているところもある。その狙いは、優秀な人財を見つけ・育て・教育を受けさせ、国家や社会にその智恵や知見を還元させるところにある。 第二次世界大戦後、アメリカの国策に沿って創立された奨学金制度は、世界各国の相互理解を高める目的で設立された。設立以来の奨学生数は38万人で、日本人も6300人を越え、多士済々な人材を輩出している。教育の成果が出るには、時間がかかる。一世代どころか、二世代でも十分とは言えない。 ひるがえって日本を見ると、どれだけ本気で人財を育てようとしているのか、疑問に思わざるを得ない。経国済民の根幹に教育を据え、知見を得てこそ、世界と渡りあえる日本になるのではないだろうか。