「温故創新」190401 N266 伊波喜一

混乱の 世を治めんと 元号の 令和に込める 思い深しや

 1日、新しい元号「令和」が発表された。「初春令月、気淑風和」。万葉集からとっており、「初春のこの良い月に、気は良く風は柔らかに吹く」と読むそうな。みんなで和やかに歌を詠んで楽しむ様を歌っている。 平成は先の昭和と比べ、戦争がない時代、戦争を起こさなかった時代である。30年間戦争に巻き込まず、巻き込まれず、災禍に遭わなかったのは希有としか言いようがない。その願いを込めたのか、昭和に続いて令和を用いている。絶対に戦争を起こしてはならない、そのことを強く願う。 ここのところの寒さで、桜の開花が止まっている。花冷えとはよく言ったものだ。真冬並みの寒気が押し寄せている。中野通りの桜は70数年前の戦災で丸焼けになった。そこで、一本一本植え替えて、今の桜並木へとつながった。ゼロからのスタートどころか、マイナスからの出発だったろうに、よくぞここまで復元させたものだ。 生あるものの宿命であるが、桜の寿命は永遠でない。いつか、必ず、新しい命に引き継いでいかなければならない。次代を担うその若人達に、軍靴ではなく平和の足音を響かせたいと願うのは、私だけではあるまい。