「温故創新」250330 N1639 伊波喜一

溜め込んで つい仕舞うかな 年賀状 懐かしさ捨て 思い切るなり         

 物置小屋の整理をする。これまで詰め込むだけ詰め込んでいたので、奥のものが取り出せずにいた。一旦中身を出し、縦に納めるものと横に納めるものとに仕分けした。こうしてみると、棚の収納はかなりあるものだ。整理・整頓をすると、何だか気持ちがいい。

 整理ついでに、10年分の賀状を整理した。必要なものは取り除いておいたので、あとは思い切って処分するだけである。そう思っていたが、つい1枚1枚、差出人と本文に目がいく。

 読み始めると、つい夢中になってしまう。たかだか10年間のことだが、この間にも色々と変化があったことが分かる。

 賀状には、短く近況を知らせる一言が添えられている。当時の事をしっかり覚えているものもあれば、ほとんど忘れかけていたこともある。1週間、1ト月あるいは1年という単位では覚えているが、5年、10年という単位で見ると、その記憶はかなり曖昧である。そこに期せずして、忘却というフィルターが働く。残念な気もするが、そうでないと古い記憶が邪魔して、新しいことが入ってこないことになる。

 これは使っていたものなどにも、当てはまる。大事に使っていた物には、思い出がある。どうしても、その思いに引きずられてしまう。そのままにしておくと、溜まる一方である。だから、一定の期限を決めて処分する。断捨離とまではいかないにしても、適度に身の回りの処分をしていくことは、日常に良い刺激を与えることとなろう。