「温故創新」240802 N1477 伊波喜一

亡き祖父の 思いこもるや 平屋建て リノベ完成 お盆近づき      

 木陰を通り抜ける風が涼しい。日なたの肌を突き刺すような暑さとは反対に、枝が暑さを吸収して心地良い。緑の大切さを、改めて思う。

 祖父達が63年前に建てた古民家を、リノベーションしている。かつての土間だったところをフラットにして、さらにテラスを付け加えた。その屋根と囲い部分の工事が、いよいよ始まった。

 テラスは台所からドア越しに繋がっているので、ダイニングがかなり広がる。祖父の当時は、ダイニングはちゃぶ台を中心に食事をしていた。今からするとかなり手狭に感じるが、畳の生活だからこそ出来たことでもある。

 しかし、これからの夫婦生活は、間違いなくダイニング中心の生活になる。なぜなら、食事も新聞を読むのも、ティータイムもちょっとした作業をするのも、台所テーブルの上で行われるからだ。テーブルは大作りの6人掛けなので、詰めれば8名は腰掛けることが出来る。これぐらいの広さがあれば、大抵のことはここで用を済ませられる。

 一方リビングは4人掛けのベンチを、壁を押し下げて作った。玄関から入ってきて、そのままミーティングなど出来る。これで内(ダイニング)と外(リビング)のバランスが、うまくとれることになろう。 祖父が生きていたら、今回の改築をどう感じただろうか。

 祖父が築いてくれた土台がしっかりしていたからこそ、改造が活きる。先祖が基礎を固めてくれたことに、改めて感謝している。