王室に 自由認める 英国の 自立の心 伝統深く
英王室は18日、ハリー王子とメーガン妃夫妻の王室離脱を認めるとの声明を発表した。夫妻は今春から公務を担わず、殿下・妃殿下の称号を返上する。エリザベス女王も「(夫妻の)より自立した人生を送りたいという望みを支持する」と表明した。公より私を重視した夫妻の行動も大胆だが、それを認めた王室もこれまた懐が広い。民主に対する英国の考え方は、層の厚みを感じさせる。 これが日本だったら、一体どうなるだろう。「皇室離脱など言語道断」と、国を挙げての反対が沸き起こりかねない。そもそも日本には、私を尊重する意識も伝統も育っていない。公が常に優先されてきたし、それに代わる会社や組織の方が、よほど強制力を持っている。
一方の英国はといえば、王室の長である女王が即決し、国民は国民で理解を示している。日本とは正反対である。似たような島国ではあるが、英国は1215年にマグナ・カルタ憲章を生み出した。王に対して自らの要求を訴え、権利を勝ち取ってきた。権利は与えられるものではないということを骨髄に染み込ませている国、それが英国だ。 英国のバランス感覚の良さに、脱帽する思いでいる。