「温故創新」200129 N375 伊波喜一

花びらが ピンクに染まる 謎を解く 自然のリズム 目には見えねど

 弘前大の荒川 修教授らが、ヨメイヨシノの花びらがピンク色に染まる謎に迫った。実験では戸外で切り出して室内に置いたソメイヨシノが使われた。室内に置いたソメイヨシノは花びらが色づかず、白っぽいままであることが知られている。これは蛍光灯による影響である。蛍光灯は太陽光と異なり、青と赤の光が少ない。だから色づかない。 さて開き始めた蕾に青の光を当てると、うっすらと色づく。さらに赤の光を当てると色素が増え、徐々にピンクの色合いが増してくる。しかし、赤色だけではほとんど色づかない。あくまで、青色から赤色の順番でなくてはならず、青と赤を重ねることで効果が倍増する。 自然界には目に見えないリズムがある。そのリズムを敏感にとらえ、生存本能を最大限に発揮して生きのびる。人もかつては、五感を研ぎ澄ませて生きてきた。環境の変化を鋭敏にキャッチして、適応したものだけが生きのびることが出来た。 今、社会全体に教え込みの風潮が蔓延している。確かに人は教われば賢くなるが、教わりすぎると自ら考えることが出来なくなる。我が内なる声に耳を傾けて、本能を研ぎ澄ますことが求められているのだ。