「温故創新」240724 N1473 伊波喜一

電話帳 130年に 終止符を 時代を映す 花形変わり       

 強風の中、落ち葉をビニール袋に詰める。腐葉土づくりに、もってこいである。今日で合計7袋、まだまだ増える。困るのは、アリが群がってくることだ。巣ごと退治する良い方法は、ないものだろうか。

 NTT東日本とNTT西日本は19日、店や会社の電話帳「タウンページ」の発行と番号案内サービス「104番」を、来年度末に終了すると発表した。

 東京~横浜間の電信架設工事が始まったのが、1869年(明治2年)である。電話サービスが始まったのは1890年(明治23年)で、当初の加入者は197世帯である。

 筆者の子ども時代の1950~60年代にかけて、各家庭に黒塗りの固定電話が普及した。個人や店の電話番号は、電話帳で調べていた。

 電話帳に限らず各団体の名簿や時刻表、百科事典にいたるまで、紙の文化がスタンダードだった。アナログで調べるのに時間がかかったが、手間暇かけてそこから得た情報は貴重だった。

 今はインターネットで、瞬時に目的地にたどり着く。目的地を入力すれば、考えなくてもそこへ運んでくれる。考えたりためらったりすれば、時間がかかる。そのロスは、経済的にもマイナスとなる。

 今後は紙媒体に変わり、インターネット版の電話番号案内が標準になる。そこにどのような付加価値を加えられるかで、これからの情報のあり方が試されていくように思える。