「温故創新」220918 N1112 伊波喜一

大切な 子等のいのち 守り抜き 愛おしいかな 未来へ生きよ          

 台風14号が鹿児島に上陸し、北上中である。風雨ともに過去に例がないぐらいの大型台風ということで、気象庁は備えを万全にするよう呼びかけている。

 夜回り先生水谷修さんの「もうすぐ死に逝く私から いまを生きる君たちへ」を読む。その中に、養護学校(現在の特別支援学校)高等部で働いていた時のことを書いた一節がある。

 水谷さんは当初、大便を漏らしたおむつを取り換えたりすることが、嫌でたまらなかった。それが変わったのは、ある出来事をきっかけに、子ども達が頼るのは自分しかいないということを自覚した時からだった。その時の心境を「こんな私をもとめてくれている子どもが、こんなにもいる」と、表わしている。

 『みんな違って、みんないい。障害も個性の一つであり、お互いが助け合い、共生していく中で学び合い、幸せを分かち合う』。

 『すべての人間には幸せになる権利がある。と同時に、すべての人間にはみんなを幸せにする義務がある』。

 誰もが最初はそう思う。だが、生涯にわたってそれを貫くのは、至難である。本気でそのことを念じ続けない限り、貫き通せるものではない。水谷さんの根底にあるものは、子どもが自らの人生を全う出来るよう、それを阻む社会悪とは徹底して闘うという意志である。 

 一貫して芯がぶれていない。だからこそ、長生きしてほしい。