「温故創新」220915 N1110 伊波喜一

健康は 個人の努力 だけでなく 地域の眼(まなこ)で 育まんかな         

 ウクライナ危機で、原料が値上がりしている。建築資材も言うに及ばずである。

 SDGsの考えが浸透してきていることも、あるのだろう。建築業界でも、住人の健康に気をつけるようになってきている。

 60年代などは、肺がん性物質であるアスベストなどを見境なく使っていた。コストと機能を重視するあまり、密閉した空間を大量生産してきた。部屋と部屋を区切り、個室を多くした。

 世界保健機関(WHO)は冬季に、18度以上の室温をガイドラインにした。日本も2025年から、省エネ基準を満たすことが義務付けられる予定だ。

 人の集合単位は、500人が限界であると言われる。家族の単位は10人前後であろうか。筆者の小さい時には、叔母も含めて8名が生活していた。畳み間が基本であり、いざとなれば障子を外して広く使える。冠婚葬祭は元より、お盆や正月など来客が多い時にも重宝した。

 今、いろんな人が一緒にいるということが、人間が生活するスタンダードになってきている。心の豊かさに目を向けた生活を、社会は志向している。断絶や孤独は健康を損なう。このことを解決するには、個人の努力だけではいかんともしがたい。

 地域で網の目を張っていく努力と組織力の構築が、求められているのではなかろうか。