「温故創新」220826 N1098 伊波喜一

偶然の 積み重ねこそ 必然の 出会いや出来事 意味あるものへと     

 新聞を取りに出ると、路上が濡れている。昨夜、雨が降った様子だ。どうりで、蒸して寝苦しかったわけだ。お彼岸まであと一月。季節の切り替え時が、待ち遠しい。

 ある意味で、人生は偶然の積み重ねと言える。振り返ってみると、あの日あの時にあの人やあの事と出会っていたから、今の自分がある。一つ一つの出来事はさしたる事ではないようでも、偶然が重なって思わぬ化学反応を起こす。

 それが束になり団子になった時に、人生のターニングポイントに遭遇する。目には見えないが、まるで大きな流れに乗っているような体験を、誰もが持っているのではなかろうか。

 人生は些細な日常の繰り返しである。目新しいことは、あまり起きない。それを意味づけるのは、出会いや出来事の偶然に、必然を見い出しているからに他ならない。それも、意味ある必然をである。

 還暦を過ぎて、日々の時間の過ぎ去る早さに驚きを禁じ得ない。今まで意識せずに時間と体力を使ってきた。

 しかし、それはあまりにも勿体ないことだ。夫婦で摂る食事一つ、交わす会話一つ、目的を持たずに過ごすのは勿体ない。今あることに今やることに、意義を見い出す。そこにこそ、意味ある人生が拓けてくるのだ。

 人生にどう意義づけするか、その鍵は自身の胸中にある。