「温故創新」220803 N1091 伊波喜一

デジタル化 プラスマイナス 天秤に 便利は不便 不便は便利   

 湿度があまりに高く、昨夜は寝苦しかった。2階の廊下は39度もあった。室温を28度設定にして寝たが、首筋に汗をかいて目が覚めた。1度下げて27度にしたら、朝まで目覚めずに済んだ。

 コロナ下の2年半余りで、オンラインやデジタル化が加速された。オンラインでのミーティングは、今では当たり前のようにされている。場所を移動することなく、距離の遠さを考えることなく、所を選ばない。何よりも、体全体をその場に運ぶことなく、顔だけを画面に移せばいい。つまり、半生リアル会議である。

 そうであるので、会議のリアル感が伝わりづらい。気をつけないと、伝達事項に特化した内容になりやすい。

 例えば、映画館まで出かけて映画を観るとする。

 映画の楽しみは、どんな服で出かけて、何を売店で買うかからすでに始まっている。ポップコーンや珈琲の入り混じった匂いが、上映のワクワク感を高める。直にブザーが鳴り、他の映画の紹介が流れ、やっと映画が始まる。このように、本編に入るまでの通過儀礼が映画の魅力を形作る。

 オンライン会議のように待ち時間を節約し、合理的に物事を進めることは大切な事だ。しかし、その待ち時間の中に、熟成の秘訣が詰まっている。便利すぎる生活は、熟成の旨味を無くしかねない。

 便利も高じると、かえって不便になってしまうのである。